精密ドライバーをここまで考える?ANEXのこだわりが詰まった「吟匠」
こんにちは!工具屋てっちゃんです。
今日も、先日幕張メッセで開催されたDIY SHOWで見つけた、新商品や面白い商品をご紹介したいと思います。
今回紹介するのは、新潟県三条市の工具メーカーANEXさんから発売された、
精密ドライバー吟匠(ぎんじょう)セット PRD-S1

です。
「吟匠(ぎんじょう)」
新潟のメーカーだからでしょうか?
名前を聞いた瞬間、なんとなく日本酒の「吟醸」を思い浮かべてしまいました。
でも、実際に商品を見て、さらにANEXの社長さん自ら商品について説明していただくと、
この名前が似合うくらい、細かいところまでこだわって作られた精密ドライバーなんです。
精密ドライバーなんて、どれもそんなに変わらないでしょ?
と思う方にこそ知ってほしい。
今回は「吟匠」のこだわりを3つのポイントでご紹介します。
■ ポイント1 縦溝から「あや目ローレット」へ!
まず僕が面白いと思ったのが、
軸部分のローレット加工です。

以前のANEXの精密ドライバーは、この部分が縦溝になっていました。
縦溝でも横方向への滑りは抑えられます。
でも、よく考えてみてください。
ドライバーって、ただ回すだけではありませんよね。
ネジに押し付けながら回すので、
縦方向にも力を掛けます。

そうすると、縦溝だけでは縦方向に指が滑ってしまうことがある。
そこで今回の吟匠では、
あや目のローレット加工に変更されています。
縦方向にも横方向にも細かく凹凸が入ることで、指先がしっかり掛かる。
握り方って人それぞれなので、色々な握り方にも対応しているんです。

実際に握ってみると、この違いがよく分かります。
単純に「滑りにくくしました」ではなく、
「精密ドライバーを使う時、指はどう動くのか?」
そこまで考えて形を変えているんですね。
こういう改良、僕は好きです。
■ ポイント2 サイズによって軸の太さまで変えている!
そして2つ目。
これも実際に持ってみて、
「なるほど!」
と思ったところです。
吟匠は全部同じ太さではなく、
サイズに合わせて軸の太さを変えているんです。

小さな精密ネジを回す時って、それほど大きな力はいりません。
むしろ細いドライバーを指先で繊細に操作したい。
でも、少し大きなネジになれば、
今度はもう少ししっかり握って力を掛けたくなります。
そこで吟匠は、
5mm・6mm・8mmと、サイズに合わせてハンドル径を変えています。
小さいサイズは細く。
大きくなるにつれて太く。
言われてみれば当たり前のように感じますが、
実際にここまで作り分けている精密ドライバーって、なかなかありません。
これが本当に握りやすいんです。
ネジのサイズに合わせて先端だけを変えるのではなく、
人間が握る部分までサイズに合わせる。
ANEXさんのこだわりを感じるポイントです。
■ ポイント3 回転キャップを「丸」から「四角」へ!
そして3つ目が、
回転キャップです。
精密ドライバーというと、
お尻の部分に指を当てて、キャップをクルクル回しながら使いますよね。
一般的な精密ドライバーを見ると、
この回転キャップは丸いものが多いと思います。
以前のANEXの精密ドライバーも丸型でした。
でも吟匠は、
回転キャップを四角形に変更。

しかも以前より少し大きくなっています。
これによって、
指先だけでなく手の腹にも自然に馴染むようになっています。
そして四角なので、
当然ですが、
置いても転がりにくい!

精密作業をしている時に、机の上からコロコロ転がっていくのって地味にストレスですよね。
さらに回転キャップには自己潤滑性に優れたポリアセタールを採用していて、滑らかな回転にもこだわっています。
ただ形を変えただけではないんです。
■ 時計修理の現場まで足を運んで作った精密ドライバー
そして、この吟匠の開発で面白かったのが、
実際に時計の修理現場へ通い、現場の意見を取り入れて作られた
という話です。
「精密ドライバーといえば時計」
ということで、
実際に精密作業をしている人たちが、
どう持つのか?
どう回すのか?
どこに使いにくさを感じているのか?
そういったところまで見ながら作り込んでいったそうです。

だから、
ローレット加工だったり、
ハンドル径だったり、
四角い回転キャップだったり、
一つ一つの形にちゃんと理由があるんですね。
さらに刃先には、

クロム・モリブデン・バナジウム鋼を採用。
高精度に削り出された刃先は、微細なネジにしっかりフィットするように作られています。
精密ドライバーですから、
やっぱり最後は先端の精度が大切です。
ここもしっかりANEXさんが力を入れたところです。
■ 最後に
ANEXの
精密ドライバー吟匠セット PRD-S1
見た目だけを見ると、
「新しい精密ドライバーね」
くらいに思ってしまうかもしれません。
でも、
ANEXの社長さんから直接、
「なぜここを変えたのか?」
という話を聞くと、
見る目が変わりました。
- 縦溝から、指が滑りにくいあや目ローレット加工へ
- サイズに合わせてハンドル径を5mm・6mm・8mmと変更
- 回転キャップを大きな四角形にして、握りやすく転がりにくく
さらに刃先の素材や加工にもこだわっています。
そして今回のセットは、
-0.9、-1.2、-1.8、-2.5、+00、+0の6本組。
専用ケースも付いています。
このケースの蓋の裏側には外したネジを分けておいて置ける様に仕切りもあるんです。

これだけ細かいところまで作り込まれているのに、
価格を見ると意外とお手頃なのも嬉しいポイントです。
「精密ドライバーなんて、どれも一緒でしょ?」
と思っている方にこそ、
ぜひ一度、この吟匠を握ってみてもらいたいですね。
細かいところまで使う人のことを考えて作る。
新潟・三条のメーカーANEXらしい、
まさに「吟匠」という名前が似合う精密ドライバーだと思います。