BRAND(メーカー) 2016.4.2
最強クラスの押し戻しPOSTED BY
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本日ブログを担当させていただきます。ファクトリーギア博多店の足立です。
工具の事を色々調べていると「品質の高い金属」や「適切な熱処理」といった説明をところどころ見る事があります。
それはどういうことなんだと最近気になり始め、深夜のスターバックスで金属に関する本を数冊読んでみた結果、
すっかり金属の魅力にはまっております。
僅か数パーセントの違いで全く異なる性質に変化してしまう金属。非常に奥が深いです。
将来的には触ったり音を聞くだけで炭素の含有量・金属の硬度・鋼の成分・熱処理の方法などを分かるようになるのが密かな目標です。
もしそうった能力をお持ちの方がおられましたら是非是非私に伝授いただければと思います。
「この工具、炭素が通常よりも0.5%多いうえに、タングステンも含まれてるね。しかも先端だけ高周波焼き入れによりさらに硬度を上げてあるじゃないか。ここの部分の焼き戻し具合も丁度いい。素晴らしい!」
↑ これが私の理想形です。
本日も普段在庫していない珍しい工具をご紹介いたします。
この超絶カッコイイ赤い箱に入ってやってきたのは、
SNAP-ONのブレーキピストンツールです。
用途は、ブレーキパットを交換時にピストンを簡単に押し戻すことができます。
写真左のネジを回しプレートを広げていくのが一般的なタイプ。
これも便利ではありますが、実際に試してみると意外と広げるのが大変です。
そこでSNAP-ONのブレーキピストンツールが登場します。
操作はなんとレバーを握りこむだけ。これは本当に楽です。
楽な上に作業スピードも上がるのでとっても便利だと思います。
それではさらに細かな部分を見ていきたいと思います。
・作業スピード
ジャッキもそうですが、1ストロークでどれだけ動くのかが作業スピードに大きく関わってきます。
たとえ握るだけで楽に作業できるからといって、プレートの動きが少なければ何度も握る必要がでてきちゃいますね。
そこで一握りでどれだけ先端のプレートが動くのか調べてみました。
写真(左)が握る前、写真(右)が1回握ったあとです。両方のプレート間の距離を見てみると、
約5mmの差が生まれています。ですので10回程度握るだけで5cm程度押し戻すことができます。
1秒間で一握りしたとしても5秒程度で作業ができますね。
・パワー
例えプレートが動くスピードが早くても押し戻す力がなければ戻りませんね。
そこで次はパワーを見てきたいと思います。
商品説明を見てみますと、内部の圧縮比を15にすることで
握ったときに200Kg相当の力がかかるそうです。
圧縮比15って凄いですよね。
車のエンジンで圧縮比が14でさえ高過ぎて大丈夫なのと言われているくらいですので。
機会があれば100Kg相当のワイドキャビネットなんかで
なんらかのパワー実験してみたいという気持ちが沸々と湧いてきます。
これだけのパワーがあれば錆びて固着しているピストンでも安心ですね。
プレートが広い為、4ピストンタイプでも対応可能。
プレートにもある程度剛性があり、固いピストンでもしっかり力を伝えてくれます。
本体は大きめですが、ボディーは合成樹脂の軽量ハウジングとなっておりますので、
持った感触は見た目よりも軽く感じていただけます。
ブレーキピストン専用にするにはもったいないと感じるくらい
とにかく夢がいっぱい詰まった工具ですよ。