2020.7.30
世界のメカニックはこんな工具を使っていますPOSTED BY
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こんにちは!なんば店から「ジャンプマン」こと中村がお送りします!
本日はいつもとちょっと趣向を変えた工具のご紹介をしていこうと思います。テーマは「プロの使っている工具inワールドワイド編」です。
目次
① めったに見られない映像
② F1の現場ではこんな工具が使われていました。
③ガレージ外での作業と作業効率
めったに見られない映像
ちょうど先月末からやっと開催されたF1世界選手権(以下F1)で先週行われた「ハンガリーグランプリ」にて興味深い映像が公開されています。
きっかけはレッドブルレーシングのフェルスタッペン選手がレース前にクラッシュしてしまい、車体の一部を壊してしまいます。
通常はピットに戻って修理するかリタイアしてしまうものですが、なんとそのままコースのグリッド上で修理を行うというシーンがありました。(この出来事の詳細まで語りだすとキリがないので今回は割愛します)
公式ホームページではその一部始終がほぼノーカットで公開されています。
https://f1share.page.link/kk9LK1WWZ9Pv6Fnc6
モータースポーツで修理だけでなくメンテナンスをする際に工具は必須ですがなかなか取り上げられるような機会がありません。
ましてやレース中に大掛かりな修理作業が行われる耐久レースやラリー系の競技ではないF1で、しかもレースが始まる20分弱という時間に用いられた工具が何なのか、すごく興味が湧きませんか!?
ということで動画を見ながら確認できた工具を紹介していきます!
※公式ホームページのロング版動画を参考に推測しております。
F1の現場ではこんな工具が使われていました
動画の冒頭はクラッシュシーンから始まり、マシンをグリッド上へ移動させるよう指示が飛びます。
フォーメーションラップまで残り19分過ぎの映像から早速ラチェットハンドルを持つメカニックが映ります。
残り16分22秒の映像にはラチェットハンドルに長いエクステンションバーを付けたメカニックの手が大きく映ります。
ラチェットヘッド部分を握っているのでメーカーロゴは見えませんでしたが、グリップエンドの形とエキバーの模様から、スナップオンの1/4SQのものではないかと推測できます。
スナップオン 1/4SQロングラチェット
ファクトリーギア販売価格¥14,108(税抜)
※価格は予告なく変更する場合がございます。
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スナップオン 1/4SQ エクステンションバー 【6インチ(152mm)】
ファクトリーギア販売価格¥3,077(税抜)
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エキバーは実際の作業ではもっと長いもの(8~10インチ?)を使っているかもしれません。
現代のF1マシンが限られたスペースにあらゆる部品が詰め込まれクリアランスに余裕がないことでアクセスしやすいように選ばれているのだと思います。
残り17分30秒頃の映像には地面にトルクレンチらしき工具が映ります。
動画でははっきりとトルクレンチを使っている瞬間は確認できませんでしたが、グリップのデザインからこちらもスナップオンのトルクレンチかと思われます。
トルクレンチを持っているメカニックの作業場所から、今回破損したサスペンションのアーム付近のパーツに用いられていたのだと推測できます。
スナップオン 1/2SQ40~200Nmトルクレンチ(80ギア)
ファクトリーギア販売価格¥55,755(税抜)
※価格は予告なく変更する場合がございます。
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残り14分30秒頃の映像からたびたびボッシュの電動ドライバーが登場します。また同24秒頃からラチェットドライバーも登場し、ブレーキキャリパー周りのパーツを手際よく外している様子が映ります。
ボッシュの電動ドライバーは映像からは特定することが難しいのですが、バッテリーのサイズ、全長の大きさから10.8Vクラスのドリルドライバーではないかと推測できます。
こちらの電動ドライバーにも延長アダプターを装着して、ラチェットハンドルと同様にアクセス性を上げていることが伺えます。
ボッシュ バッテリードライバードリル 10.8V
ファクトリーギア販売価格¥24,750(税抜)
※価格は予告なく変更する場合がございます。
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ラチェットドライバーは最初メカニックが使用されたモデルを特定できませんでしたが、残り9分頃の映像から映るラチェットドライバーは色味や形状からスナップオンのものでしょう!
スナップオン ラチェットドライバー オレンジ
ファクトリーギア販売価格¥9,314(税抜)
※価格は予告なく変更する場合がございます。
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電動やラチェットによるスピーディーな働きだけでなく、メカニックの洗練された動きにも注目です。
ガレージ外の作業と作業効率
動画では最終的に数分前(タイヤ装着義務の30秒前)に修理を完了させ無事にスタートへ漕ぎつけます。そのうえレース前のアクシデントを感じさせない走りでフェルスタッペン選手は2位表彰台を獲得しました(公式アカウントにレースダイジェストもあるのでぜひ見てみてください)
今回確認できた工具はいずれも「ラチェット」、もしくは「電動」の工具でした。当たり前といえば当たり前なのですが、こうした時間との戦いの中で使われる工具は作業スピードをアップするためのチョイスでしたね。
また今回は足回りの修理というピンポイントな場所でしたが、メカニックの無駄のない手さばきや工具の取り扱いなども惚れ惚れするものでした。
動画の中では少しだけ映った工具やワークウエアなど気になるものもたくさん映っていました。今回の動画のような資料が見つかったらまた紹介してみたいと思います!
この記事を書いたスタッフ
中村 紘平(なかむら こうへい)所属:通信販売部経歴:2010年ファクトリーギア入社。6月から2年9か月振りになんば店で勤務しています。暇な時間は大体ラジオ聞いています。好きな工具ブランド:DEEN KNIPEX