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NEWSHOW TO 2017.9.25

ご存じですか?ハンドソケットとインパクト用ソケットの違い

POSTED BY いえむ~

こんにちは。ファクトリーギア柏店のいえむ~です。(最近シーシャにハマっています)
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今日書かせていただくのは、「ソケットレンチ」(いわゆるソケット)の話。
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めがねレンチをたくさん用意しなくても一つのハンドルがあればそれにソケットを付けて、様々なサイズで使えたり、
ラチェットハンドルに付けて早回ししたり、エクステンションバーに付けて届かない所にアクセスしたり・・・と、
今やなくてはならない、広く普及した工具ですよね。
そんな「ソケットレンチ」には、使い方で大きく分けて二種類の物があるのはご存知でしょうか?
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それは、「ハンドソケット」「インパクト用ソケット」です。
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「ハンドソケット」は一般的に銀色をしており、ラチェットハンドルやスピンナハンドル、T型ハンドルなど手で回す工具に付けて使う物。
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「インパクト用ソケット」は多くが黒い色をしており、エアーインパクトレンチや電動インパクトレンチなど、強い衝撃がかかる動力工具に付けて使う物です。
この2つはその見た目で簡単に見分けることができますが、気になるのは、
「じゃあ、具体的にどう違うの?」ということ。
「ごっちゃにして使ってはいけないの?」という疑問を持っている方、また実際インパクトレンチでハンドソケットを使っている方も多いかと思います。
今日は、そんな「ハンドソケット」と「インパクト用ソケット」の違いについてクローズアップしていきます。

①表面処理が違う!

ハンドソケットとインパクト用ソケットで大きく見た目が異なっているのは、その表面処理の違いからです。
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ハンドソケットはめっきがされており、銀色でピカピカしています。
めっきすることで錆に強くなったり、手触りがよくなるという効果があります。
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またneprosのように、つい欲しくなってしまうようなキラキラした見た目になるというのも重要な要素かもしれません。
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一方インパクト用ソケットは、地味でマットな感じの黒色をしています。
これは「リン酸皮膜処理(パーカライジング)」という処理を施されているからで、メッキと同様に錆や腐食を防止する効果があります。
ではなぜめっきではないのか?と言うと、インパクトレンチを使用する際、ソケットには強い衝撃がかかるので、めっきがしてあると剥がれてしまう恐れがあるためです。

②硬さが違う!

ハンドソケットとインパクト用ソケットでは力の掛かり方が大きく異なります。そのため素材の硬さを変えて作られています。
これに関しては非常に面白いことに、メーカーによって考え方が全く異なっているのです。

~KTCの場合~
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京都にある総合工具メーカー、KTC(京都機械工具)のソケットは、
ハンドソケットの方が硬く、インパクト用ソケットの方が柔らかく作られています。
これは、ハンドソケットでは手によってゆっくりと力が掛かるので捻れてしまわないように硬く、
インパクト用ソケットでは、急激に強い力が掛かるので、割れてしまわないように、ある程度しなりを持たせて柔らかく、
という考え方による物です。

KTC・ネプロス

~ko-kenの場合~

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一方静岡県のソケットレンチ専門メーカーko-ken(山下工業研究所)のソケットは、前述のKTCとは真逆です。
つまり、ハンドソケットの方が柔らかく、インパクト用ソケットソケットの方が硬く作られています。
これは、ハンドソケットが硬いと、ある程度までは高い強度を実現できる一方で、掛かる力がある点まで達すると急に割れてしまうからだそうです。
作業時の安全性や、「ko-kenのソケットは壊れない!」という安心を保証するために、あえてハンドソケットを柔らかく作っているのです。
そしてインパクト用ソケットの方が硬いのは、頻繁に強い衝撃が掛かることにより摩耗して、精度が落ちたりいずれ破損してしまうことを防ぐためなのだそうです。

Ko-ken 工場レポート

③大きさが違う!

ハンドソケットとインパクト用ソケットでは、回すネジこそ同じですが、少しソケットの大きさが異なってきます。
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同じ1/2sqの13mmのソケットでも、これだけ違ってきます。
インパクト用ソケットの方が強い衝撃が掛かるため、大きく、分厚く、頑丈にできています。
なので、狭い場所で使う時にはハンドルやアダプターの選択肢の広さも相まってハンドソケットに軍配が上がります。
一方、大きいサイズのボルトや非常に硬く締め付けられているボルト、また同じサイズのボルトを大量に締め緩めする時など、
インパクトを使わないとやってられない!という時もありますよね。

④ソケットの保持の仕方が違う!

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ソケットを工具に固定する仕組みも、2つでは微妙に異なっています。
ハンドソケットにはソケットの差込角の内側にくぼみが着いており、ハンドル側に付いているボールが引っかかるようになっています。
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インパクト用ソケットは、側面に穴が空いており、インパクトレンチの差込角からピンを貫通させて固定する仕組みになっています。
一見面倒な仕組みですが、ソケットが高速回転しても、飛んでいかないよう確実に固定できるよう、安全性を考慮しての物です。
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しかし、自動車向けモデルのインパクトレンチの場合は、様々なサイズのソケットを付け外しする事が多いため、差込角に「リテーナーリング」と呼ばれる金属の輪っかが着いており、
ピンがなくてもソケットを保持できるようになっています。

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いかがだったでしょうか。
このように、ハンドソケットとインパクト用ソケットでは、作られ方に大きな違いがあることがわかりました。
使う工具や、使う場所に合わせて、正しいソケットを選べるようにしましょう!

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