2020.10.10
工具クイズ中級編の解答と解説~後半~POSTED BY ジャンプマン
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先日工具クイズ第2弾としまして初級編・中級編・上級編と3つのレベル別にファクトリーギアから工具クイズを出題しましたが、みなさんいかがでしたか?
今回はその中級編後半(第6問~第10問)の解答と解説です!
まだクイズを解いてないという方はぜひクイズにチャレンジしてから読んでくださいね!
それでは解答と解説です。
第6問 ネジ径「M10」の六角穴付きボルトの、六角穴二面幅のサイズはいくつ?
正解…8mm
こちらの問題は文章をちゃんと読んでいないと間違えやすい、ちょっとした引っ掛け問題です。
まずボルトのネジ径は、画像のネジ山部分の幅です。
このネジ径とボルトの頭の六角に面幅というのは規格で紐づいているので、例えばネジ径が分かっていればボルトの六角サイズも推定できるようになっています。
ただし今回の引っ掛けポイントは六角ボルトではなく、「六角穴付きボルト」の二面幅だというところです。
同じネジ径でも外形が六角か、六角穴になっているかではそのサイズも、使用する工具も大きく変わってきます。
今回ネジ径がM10(10mm)の六角穴付きボルトでしたので、六角穴の二面幅は8mmとなります。
前述したように六角ボルトを回したいのか、六角穴付きボルトを回したいかで同じネジ径でも必要な工具が変わりますので、工具を探す際にはネジの形状をよく確認しておきましょう。
第7問 ポジドライブはどこの国の発祥のネジ?
正解…イギリス
こちらの問題も「ポジドライブ」をどこまで知っているかで正答率が大きく変わりそうですね。実際に正答率は50%を切っていました。
ポジドライブというのはネジ穴の規格の一種です。イギリスのEIS社が特許を持っている規格です。
上の画像の左側がポジドライブネジ、右側が一般的なプラスネジです。
ぱっと見はどちらも同じように見えますが、ポジドライブネジは通常の十字の溝の他に斜めにも溝があります。
ポジドライブネジを回す際によくやりがちな失敗に、通常のプラスドライバーを使ってしまいネジをなめさせてしまうことです。
プラスドライバーでポジドライブネジを回すこと自体はできますが、溝が増えていることでしっかりとはフィットせず結果的にネジを傷める原因となります。
なのでポジドライブネジを回す際には専用の「ポジドライブドライバー」「ポジドライブビット」を選んでください。
ポジドライブドライバーも見た目がプラスドライバーと似ているため購入する際は気を付けてください。
メーカー側でもそれぞれの規格でマークやカラーで識別できるように工夫されています。
ちなみにポジドライブネジがどんな場所に使われているかですが、イギリスが発祥だけにイギリス車(旧車に多い)やヨーロッパで製造された産業機械、スキーのビンディング、身近なところではヨーロッパ家具の組み立てに使わるネジがポジドライブとなっていることが多いです。
しかしわざわざ「ポジドライブネジです」とは説明がないため、誤ってプラスドライバーを使われるケースがあります。まずはネジがポジドライブか確認し、そしてサイズを確認して一番フィットする工具で回してください。
第8問 ソケット専門メーカーとして有名なKO-KENですが、過去にコンビネーションレンチを販売していた。○か×か。
正解…○
こちらの問題は、工具好きな方(特にKo-ken好き)ならご存じなお話だったかもしれません。
Ko-kenは静岡の工具メーカーで、ソケットレンチに関連する工具を集中的に扱うメーカーとして知られています。
(汎用のソケットの種類ではKTCやスナップオンをはるかに上回る数を製造されています)
しかしながら実は過去にコンビネーションレンチを販売されたこともあるのです。
まさに上の画像がそのレンチ類です。「Ko-ken」と刻印があるのがわかりますね。
イタリアの工具メーカーのOEMで作られているとのことです。
クイズではコンビネーションレンチだけを取り上げましたが、それだけではなくスパナメガネレンチも設定し販売されていました。
およそ15年ほど前の一時期のみ販売されていたそうで、かなり短期間しか販売されなかったようです。
ちなみに上記の写真はファクトリーギアのイベント等でメーカーに残っていたレンチを販売したさいのものです。ほとんどイベントで売りつくしたはずなので、新たにお目にかかるのは年々難しくなっています。
第9問 2018年に限定モデルとして発売されたネプロスの鉄紺シリーズに採用された特殊コーティング「iP」。
この「iP」とは何の略?
正解…イオンプレーティング
このneprosの問題も限定アイテムからの出題だったので最近neprosを好きになった方などは少し難しかったでしょうか。
上の画像のようにneprosのスタンダードラチェット「NBR390」をベースに、通常のメッキ処理と異なるイオンプレーティング加工が施されているモデルが限定販売されていました。
イオンプレーティングという言葉自体それまであまり聞き馴染みがなかった方も多いと思いますが、元は宇宙開発技術から生まれた真空メッキによる表面処理で、このラチェットには「ニッケルx2+クロム+ip」の4層構造で処理されて、通常のメッキ処理よりも耐摩耗性と独特の色味を持つ装飾性の高さが特徴となっています。
現物を肉眼で見るとさらに深い青色をしていて鮮やかでした。
この「鉄紺」を採用されたのも江戸時代から日本では馴染みのある伝統的な色であったからとされています。
この鉄紺シリーズはラチェットハンドル以外にもレンチ類がラインナップされていました。セット設定のみで単品サイズでは手に入らないという豪華さです。
ipのお話でもう一つ。実は鉄紺シリーズの前に「ipブラック」としての限定モデルも販売されていました。
もちろん現在はいずれも販売されていない激レアアイテムです。巡り合えたらラッキーかもしれませんね。
第5問 握りもの工具の専業メーカー「KEIBA」。そのトレードマークにもなっている動物は何?
正解…馬
こちらの問題は正答率の高さから、工具好きならご存じなのとブランド名から推測できたのかなと思われます。
製造元の株式会社マルト長谷川工作所が1924に創業し、当初から馬をモチーフにしたマークを使われていたそうです。
KEIBAは「競馬」が語源で、競走馬にあやかって「天馬、空を行く」が如く雄飛したいという願いが込められています。
KEIBAはペンチ、ニッパーをはじめとするプライヤーの専門メーカーで非常に質の高い精度や切れ味を持つ製品を作られています。
また一般のプライヤー類だけでなく、KEIBAならではの専門性のある商品がファクトリーギアでは人気です。
ラジエターフィンを修正できる先端の薄いメタペン。
ピンセットのように先端が細い先細ラジオペンチ。
さらに変わり種として、(KEIBAのロゴは入っていませんが)爪専用のニッパーネイルプロなどもあります。