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店舗ブログイチオシ 2016.6.13

TiNコーティングの魅力をご紹介!!

POSTED BY おかちゃん

こんにちは!おかちゃんです。

OKATYAN

 

梅雨の季節に入りましたが、梅雨といえば、工具の錆が気になるところですよね。

ドライバーやビットの先端が、気が付いたら錆びていた!?なんてこともございます。

やはり工具にはめっきやコーティングが欠かせないです。

 

しかし、ビットなど精度の求められる部位には、めっきでは厚みが出てしまい精度に狂いが生じる恐れがあります。

そこで、厚みが薄くさらに耐熱、耐摩耗性も期待できるコーティング方法が求められてきます。

それがTiN(窒化チタン)コーティング。

 

今回は、TiN(窒化チタン)コーティングについてご紹介します!

 

TiN(窒化チタン)コーティングといえば、

ドリルの刃やカッターナイフの刃先によく用いられています。

SSRK1

また、ネプロスやHAZETのビットソケットのビットなどにも用いられていますね。

 

IMG_1893

 

金色をしたこのTiNコーティング、いったい何がいいの?と思いましたので、調べてみました。

TiNコーティングの特徴は次のようなものがあります。

 

1.切削工具や金型の利用に、適切な硬度や耐熱性をもっている

硬度は1700〜2000Hvもあり、切削工具の切先を維持したり、耐摩耗性に優れています。高い耐熱性もあるので、ドリルの先端に用いれば摩擦熱による変形も防げます。

また、膜厚も1〜4μmと非常に薄いため、精度の求められるビットのコーティングにも用いることができます。

 

2.基材との密着力が強い

基材との密着力に優れているため、コーティングが剥がれにくく、長期間品質を保持できます。

 

3.成膜温度が400〜500度と低い

成膜はPVD処理という方法で行われます。400〜500度という低い温度で成膜できるため、基材に熱による変形や変質を与えるリスクを抑えることができます。

金色は、成膜処理の過程で金色になるそうです。その豪華な見た目から、装飾品にも用いられるそうですよ。

 

PVD処理とは

コーティングさせる金属をいったん蒸発させ、基材にとばしてつける方法です。物理蒸着といいます。大きく分けると、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングの3種類に分けることができます。ムラなく一定の厚みでコーティングできるのが特徴です。

 

イオンプレーティングは、セラミックのコーティングとして1960年代に開発された方法ですが、他の金属コーティングにも広く使われるようになりました。

 

イオンプレーティングの中でも、広く使われる手法がアーク放電法です。その方法が、

 

1.真空された状態の中で、基材をマイナスに帯電させます。

2.チタンをアーク放電で金属イオンにし、反応ガス(窒素)と共にプラスに帯電させます。

3.そして、+と-の静電気力によってチタンが基材に引き寄せられ、窒化チタン被膜が形成されます。

 

帯電させて静電気力によって引き付けるとは、面白いですね。

真空蒸着よりも、制御が利いて膜厚も設定しやすそうです。

 

 

技術力がギュッと詰まったTiNコーティング。

金色で華やかな見た目は、

「耐摩耗性」「硬度」「耐熱性」「長期の品質維持」などなど、

工具の品質をグッとあげるためのスペシャルなコーティングなのでした!!

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